CAMEOのダーツケースは素材からして違う。
前回のブログでの話の続きです。
いきなりで分からない方は以前のブログCAMEOのダーツケース③をご覧ください。
さて、ダーツケースを作るに欠かせないのが、「素材」
現在、CAMEOの生産の9割が中国製。
中国で生産する一つの理由は、世界一の素材の市場がそこにあるから。
僕は頻繁に中国に行き、自分の目で確かめながら直接素材を集めている。
簡単に聞こえるけど、これが中々半端ない仕事だと気付いた。
まず、何と言っても中国はすべてがデカイ!
市場一つとっても、吟味して回ったらとてもじゃないけど1日では回りきれない。
そして9割以上がゴミ。
笑っちゃうようなコピー品から粗悪なものまで、圧倒的に使えないものがどっさり。
そんな中からダイヤの原石とも言える素材を発掘する。
市場をまわりながらふと思ったんだけど、これって昔僕が没頭しまくっていたレコードの発掘と同じだよね。
メチャクチャ楽しい!!
「この素材とあれを組み合わせたら・・・」
「この発色、お客さん絶対好きだよね」
何度も訪れる場所でも、毎回ワクワクが止まらない。
結局好きだから、こういう感覚になる。
でも、市場に来ている人たちや働いている人たちを見ると、なんかものすごくつまらそうにやってるんだよね。
こんなに楽しい場所なのにどうしてだろう?と考えたら、当たり前の結論に行き着いた。
ほとんどの人が指示されて、仕方なしにやっている仕事。
東京ドーム何個分?という広大な敷地の中を、足を棒にして生地を探しまくる。
雇われ社員のいち担当者が仕事としてやるには苦痛でしかない作業だ。
僕が同じ立場だったら、どんなに頑張っても間違いなく適当になってしまうと思う。
できればサボりたいと思うし、究極の生地なんて、そもそも興味がないし。
1日に3万キロ以上歩いて、数日間生地をあさりまくるなんて、罰ゲームでしかない。
でも、僕にとっては楽しすぎて1日中いても飽きない場所だ。
CAMEOのダーツケースの素材選定、これは絶対に僕にしか出来ない仕事だと思う。
好きというか、酔狂じゃなきゃ絶対にできない。
「そこそこ興味あります」っていう担当者とは、圧倒的に収集力のレベルが違う。
CAMEOの製品が世界中で愛されている理由の一つは、素材の部分が大きいと思う。
CAMEOの素材には僕のワクワクが詰まりまくっている。
ダーツケースは数多くあるけれど、苦痛の伴う作業の中から生まれたものと、こだわりとワクワクが詰まった作品、比べてみれば一目瞭然だ。
機会があればぜひそんな視点で僕の作品を見ていただけたら嬉しいです。